image00.gif
menu_egg.jpg 花たまご
menu_kp.jpg 花兄園プリン
menu_bp.jpg ブラジルプリン
annin.jpg 杏仁、ゼリー等
cake.jpg 焼き菓子
mayo.jpg マヨネーズ
set.jpg セット商品



商品のご購入はコチラのボタンから
icon02.gif

リンの歴史
菓子作りと卵
長紹介
兄園の紹介
菓子作りにおける卵の活用法
供から大人まで大好き!プリン
産者の顔が分かる食材で健康生活!
つもの料理をもっと美味しく!「マヨネーズ」の活用方法
フォンケーキについて
性におすすめのココナッツミルク




携帯電話からもご注文いただけます
qr
(ご注意)
一部の機種ではご利用いただけない場合があります
リンクについて
花兄園Webサイトへのリンクはフリーです。 メールでお知らせいただけるとうれしいです。




Follow Me on Pinterest



bn_jikkensitu.png
bnr_jikken.jpg

卵黄の着色実験

【始めに】

皆さんは卵の黄身の色についてどのようにお考えですか?
お店で売られている卵の黄身の色には薄い(白っぽい)ものから濃い(赤に近い)ものまでいろいろなものがあります。 私は「濃いのが好き」、いや「薄いのが好き」と意見が分かれると思いますが、どちらがよいのでしょうか。 黄身の色が濃いほどおいしくて、栄養価が高いと思われている方も少なくはないと思います。 果たしてこれは事実なのでしょうか。皆さんはどのように思われますか?

一般的に、欧米では色の薄いものが好まれ、日本では濃いものが好まれる傾向にあるようです。 実際、米国に行った時の経験では、黄身の色はかなり薄いものしか目にしませんでした。

黄身の色の違いにはどのような意味(栄養価、食味、他)があるのか、何が要因なのか疑問がわいてきます。 こんな疑問の一部でも解明したいと思い今回の実験を行いました。


【方法】

一般の方はご存じないと思いますが、養鶏業界では以前から飼料に色素を添加して与えていました。 これは黄身の色を操作するためです。実際に実験で確かめてみましょう。 飼料に添加する色素は赤色と黒色を用意します。色素添加後に産んだ卵を毎日集め、ゆで卵にして黄身の変化を観察します。 赤色色素は「パプリカ(いわゆる赤ピーマン)」、黒色色素は「スダンブラック」を使用しました。 いずれも粉末状のものです。 ちなみに、スダンブラックは食品添加物ではなく、実験用の染色に使用される色素です。

実験1-1
飼料に黒色色素(スダンブラック)を0.1%添加したものを連続して給餌
●●●●●●●●●●●● ・・・

実験1-2
飼料に黒色色素(スダンブラック)を0.1%添加したものを1日、無添加のものを2日、のサイクルで給餌
●○○●○○●○○●○○ ・・・

実験1-3
飼料に赤色色素(パプリカ)を0.5%添加したものを連続して給餌
●●●●●●●●●●●● ・・・

実験2-1
上記「実験1-1」を20日程度実施した後、色素無添加の飼料を継続して給餌
○○○○○○○○○○○○ ・・・

実験2-2
上記「実験1-2」を20日程度実施した後、色素無添加の飼料を継続して給餌
○○○○○○○○○○○○ ・・・

実験2-3
上記「実験1-3」を20日程度実施した後、色素無添加の飼料を継続して給餌
○○○○○○○○○○○○ ・・・


【準備】

使った色素
sudanblack_bottle.jpg sudanblack.jpg paprika.jpg
黒色  Sudan Black B 赤色  飼料用パプリカ

実験に参加してくれた鶏さん
julia1.jpg
 鶏種  ジュリア(白玉)
 羽数  6羽(3種の実験で2羽ずつ)


【結果】

実験結果を表示します。鶏は必ず1日1個産むとは限りませんので一部抜けがあります。

クロ  実験1-1、2-1
マーブル  実験1-2、2-2
アカ  実験1-3、2-3

実験1

j1_01.jpg j1_02.jpg
j1_03.jpg j1_04.jpg
j1_05.jpg j1_06.jpg
j1_07.jpg j1_08.jpg
j1_09.jpg j1_10.jpg
j1_11.jpg j1_12.jpg
j1_13.jpg j1_14.jpg
j1_15.jpg



実験2
j2_01.jpg j2_02.jpg
j2_03.jpg j2_04.jpg
j2_05.jpg j2_07.jpg
j2_08.jpg j2_09.jpg
j2_10.jpg j2_11.jpg
j2_12.jpg j2_13.jpg
j2_14.jpg j2_15.jpg



生卵のようす
raw_normal.jpg
色素無添加
j1_raw_15_b.jpg
実験1-1 黒色色素添加後、15日目
j1_raw_15_r.jpg
実験1-3 赤色色素添加後、15日目
j2_raw_15_b.jpg
実験2-1 黒色色素添加をストップしてから、
15日目



殻の色の比較
shell_b.jpg

奥の列はすべて色素無添加の卵、手前の列は黒色色素添加の卵
一番左が色素添加後1日目、一番右が5日目です


【考察】

予想通り、飼料に含まれる色素が黄身に反映されました。
「実験1-3」のパプリカ色素は添加率が低かったため色の違いが写真では判断しにくくなってしまいました。 現物では、色は薄いものの確実に着色されいるのが確認できました。
「実験2-1」では色素が抜けていく様子がわかりますが、完全には抜けきらず、薄い緑っぽい色のままになってしまいました。 黒色色素の添加をストップした後も鶏の体は黒っぽいままで、体内に色素が残留しているためと考えられます。
「実験2-2」も「実験2-1」より色は薄いものの同様の結果となりました。

今回は実施しませんでしたが、イカ墨色素でも同様の実験を行ったことがありますが、 こちらの結果は黄身は着色されませんでした。 スダンブラックとイカ墨色素の特徴を比較してみるとスダンブラックは脂溶性、 イカ墨色素は水溶性ということがわかりました。 水溶性だと色素成分は排泄物とともに体外に排出されてしまい、 体内に色素が残らないため黄身の色に変化が現れなかったと考えられます。 写真はありませんが、スダンブラックを与えた鶏は全体的に黒っぽくなっていました。 体内の色素が黄身の色に影響を与えることは実験2の結果からも確認できました。 また、殻の色の比較写真からもわかるように黄身の色のみならず殻の色も黒っぽくなることが確認できました。

さて、卵は鶏の体内ではどのように作られるのでしょうか。 まず、卵黄部のみが作られその後に白身がくるまれ、卵殻膜、殻が作られ体外に出てきます。 卵黄はおよそ8〜9日で成熟することが知られています。 今回の実験でもこのことがわかりました(黄身は外側から内側に向けて形成され、およそ10日で黄身全体が着色されています)。

卵殻の色の違い、卵黄の色の違いでは栄養価は変わらないことは業界では知られていますが、 この実験では着色することを確認するだけでしたので栄養価が異なるかどうかの確認は行いませんでした。 栄養価の分析は検査機関で行う必要があるので今回は実施できませんでしたが、機会があれば栄養価の比較を実施したいと思います。

【謝辞】

人間の勝手な思いつきで真っ黒になるまで働いてくれた鶏の皆さんに多大なる感謝をいたします。


実験に関するご意見ご要望などを受け付けております。 こちらまでメールでお願いいたします。




btn_konyu.png