実験1
【考察】予想通り、飼料に含まれる色素が黄身に反映されました。「実験1-3」のパプリカ色素は添加率が低かったため色の違いが写真では判断しにくくなってしまいました。 現物では、色は薄いものの確実に着色されいるのが確認できました。 「実験2-1」では色素が抜けていく様子がわかりますが、完全には抜けきらず、薄い緑っぽい色のままになってしまいました。 黒色色素の添加をストップした後も鶏の体は黒っぽいままで、体内に色素が残留しているためと考えられます。 「実験2-2」も「実験2-1」より色は薄いものの同様の結果となりました。 今回は実施しませんでしたが、イカ墨色素でも同様の実験を行ったことがありますが、 こちらの結果は黄身は着色されませんでした。 スダンブラックとイカ墨色素の特徴を比較してみるとスダンブラックは脂溶性、 イカ墨色素は水溶性ということがわかりました。 水溶性だと色素成分は排泄物とともに体外に排出されてしまい、 体内に色素が残らないため黄身の色に変化が現れなかったと考えられます。 写真はありませんが、スダンブラックを与えた鶏は全体的に黒っぽくなっていました。 体内の色素が黄身の色に影響を与えることは実験2の結果からも確認できました。 また、殻の色の比較写真からもわかるように黄身の色のみならず殻の色も黒っぽくなることが確認できました。 さて、卵は鶏の体内ではどのように作られるのでしょうか。 まず、卵黄部のみが作られその後に白身がくるまれ、卵殻膜、殻が作られ体外に出てきます。 卵黄はおよそ8〜9日で成熟することが知られています。 今回の実験でもこのことがわかりました(黄身は外側から内側に向けて形成され、およそ10日で黄身全体が着色されています)。 卵殻の色の違い、卵黄の色の違いでは栄養価は変わらないことは業界では知られていますが、 この実験では着色することを確認するだけでしたので栄養価が異なるかどうかの確認は行いませんでした。 栄養価の分析は検査機関で行う必要があるので今回は実施できませんでしたが、機会があれば栄養価の比較を実施したいと思います。 【謝辞】人間の勝手な思いつきで真っ黒になるまで働いてくれた鶏の皆さんに多大なる感謝をいたします。実験に関するご意見ご要望などを受け付けております。 こちらまでメールでお願いいたします。 |
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